料金について、新たな変更がございます。
CLARK THEATERでは、障がい者の方および付き添いの方は、映画をそれぞれ前売り料金の1プログラム400円でご覧になれます。
その際には、受付にて障がい者手帳をご提示ください。
開催直前の変更および告知となり、ご迷惑をおかけ致しますことをお詫び申し上げます。
当日のご来場をお待ちしております。
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こんばんは、シュルレアリスト西本です。
最近めっきり寒くなりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今日は、
シュールな夢を見ていたいアナタに、とっておきの映画をご紹介致します。
CLARK THEATER 2011で上映される、マヤ・デレンという監督の作品です。
今回は彼女の作品だけでなく、その作品たちをより楽しんで頂くためにドキュメンタリーも上映します。
「マヤ・デレン・・・ってだれ??」という方のために、少しだけ彼女に関する説明をさせて頂きます。
マヤ・デレンは、1917年ウクライナのキエフに生まれますが、ユダヤ人迫害に追われ、まもなく家族とともにニューヨークへ引っ越します。
大学では政治学やジャーナリズムを学びますが、ひょんなきっかけから人類学へも興味を持つようになりました。
その後、26歳で(若い!)映画史に残る傑作「午後の編目」を製作・発表。この映画は、1947年カンヌの実験映画部門でグランプリを獲得します。
この作品で、彼女の評価は決定的なものになりました。しかし、彼女は6本の短編映画と1冊の著作を残した後、44歳という若さで亡くなってしまうのです。
彼女は、映画作家、人類学者、振り付け師、ダンサー、巫女といった肩書きを持ちます。
この肩書きの多さ、あるいは幅広さから、皆様はきっと「この人、ただ者ではないゾ!!」という予感を抱くでしょう。
そして彼女の映画を観れば、その期待は決して裏切られません。
ここからは、彼女が残した6作品のなかから、3作品に焦点を当てて個人的なコメントをさせて頂きます。
・午後の網目(1947年)
映画史に残る傑作と言われています。
この作品は、まるで誰かの夢の中を覗いているような感覚にさせてくれます。
夢に秩序がないように、この映画にも秩序はなく、
観る側にとってはある種の置いてけぼりを食らう感がありますが、これがなぜか私には心地よく感じます。
「陸地にて」とともに、夢をショットのつなぎで表現しようとするなど、とてもシュールレアリスム的な作品だといえます。
・変形された時間での儀式(1946年)
ドキュメンタリーのなかで、彼女は「映画は時間の芸術」だと語ります。
そして彼女は、「スローモーションでは、動きの構造がわかる。速い動きでは、それが一連の動きに見えても、スローでは迷いや震え、反復が見える」と続けます。
「変形された時間での儀式」は、彼女のこの言葉を頭に入れて観ると少し見通しがよくなる映画だと思います。
この作品のなかでマヤは、映像を自在に一時停止させたり、スローモーションにしたりします。
作品中のスローになっている動きに注目することによって、彼女の意図を汲み取ることが出来るような気がします。
・夜の深み(1952年〜59年)
6作品の中で一番ロマンチックな作品です。ドキュメンタリーでは、この映画の撮影風景も覗く事が出来ます。
マヤの映画は基本的に静かですが、この映画は当時彼女の夫だったテイジ・イトーの音楽も楽しみのひとつだと思います。テイジ・イトーは現代音楽作家で、「午後の編目」の音楽も担当しています。(そのため、「午後の網目」の音楽は日本風です。)
ドキュメンタリーでは、彼女の知人によるインタビューだけでなく、マヤデレン自身の言葉もたくさん聞くことができます。入念に考えられて発せられるという彼女の言葉は、とても格言的なものが多く、聞いていてはっとさせられます。
また、マヤがハイチで撮影したブードゥー教の映像も個人的には興味深いものでした。
ここまで長々と読んで下さった方、どうもありがとうございます。
少しでも興味を持って下さった方は、ぜひクラークシアターへお越し下さいね!
次回はショートフェストのプログラム紹介で登場します。ではまた!